インプラント症例 抜歯即時埋入
2024年10月13日
こんにちは、志木駅ナカ、駅チカの歯医者 志木駅前歯科グループの川口です。
今回は当グループで行った、インプラントの症例についてご紹介致します。
そもそもインプラントとはなんでしょうか?
歯科用辞典で調べてみると
デンタルインプラントはスウェーデンのブローネマルク先生が発明を行い、彼は、整形外科医、医学者、歯学者でもありました。チタンと骨が結合することを発見し、デンタルインプラント自体、世に出始めたのは1960年代以降のことです。その後、インプラント形状や表面性状、ガイドサージェリーシステム、ナビゲーションシステムなどが研究、開発され、より骨と結合しやすい状態やより安心、安全に手術ができるように改良されてきました。現在では全ての歯は失った方へのオールオン4、オールオンXなどの技術、コンセプトの開発に至っており、日進月歩で進化が進んでいるのがインプラントの世界です。
余談ですが、インプラントという用語は体に埋め込むものは全て、インプラントとよばれ、人工関節や心臓のペースメーカーなどもインプラントの仲間です。
さて、今回はインプラントをいつ埋入するかという話をしていきたいと思います。
インプラントはもともと、抜歯を行ってから3ヶ月から4ヶ月、骨の治りを待ったのちに埋入する手法が一般的でした。前出のように、そのインプラントの進化によって、このインプラント埋入の時期も大きく変化してきました。
インプラントの埋入時期(タイミング)には、患者の口腔内の状態や治療方針によってパターンがあります。大きく分けて、以下の3つのタイミングが
1. 即時埋入(抜歯してすぐに入れる)
抜歯を行ったすぐに、抜歯窩(抜歯した穴)にすぐその場でインプラントを埋入する方法です。この方法は抜歯後の骨の治癒を待たなくてもよく、治療期間を短縮できるメリットがある反面、骨の状態が良好でなければ適応となりません。また、感染リスクも高くなる可能性や術者がこのコンセプトをよく理解しておかないといけないため、慎重な診断、施術が必要です。
2. 早期埋入法(抜歯から4週〜16週間後にインプラントを埋入)
その中でも、
2−1 4〜8週後に軟組織(歯茎のこと)が治癒してから埋入するもの
2-2 8〜16週後、骨が部分的に治癒した状態で埋入するものとに分けられます。
3. 待時埋入(4~6ヶ月後)
抜歯後、完全に骨と歯肉が治癒した4~6ヶ月後にインプラントを埋入する方法です。骨が完全に治癒するまで待つため、骨や歯肉の状態が悪い場合でも安全にインプラントを埋入できますが、骨の形態に応じて骨を足す必要が生じたり、もちろん、前者に比べ、治療期間が長くなるデメリットがあります。
各患者の骨の状態や口腔内状態を診査、どのタイミングでインプラントを埋め入れるのが最適か歯科医師が判断を行い、計画を立てていきます。
今回はその中でも、奥歯の即時埋入の症例をご紹介致します。
患者様は左下の奥歯の被せ物が外れた、そのもう一つ奥も膿が出てきて、痛いということでご来院されました。
※写真掲載に伴い、患者様の使用許可をいただいております。
初診時のレントゲン写真です。
左下(L)の部分に問題があります。
左下一番奥の歯は歯根破折を生じており、腫れと排膿を引き起こしていたため、できるだけ残しておきたかったですが、やむなく抜歯を行いました。
また手前の歯も外れて虫歯になっており、歯が少なくなっております歯質過少という状況で、残りの虫歯を除去するとほぼ歯が残らないため、こちらも抜歯を余儀なくされました。
抜歯後どうするか?というお話の中で、インプラントをご希望されました。予算的に、1本のみ入れたいということでしたので、左下6番にインプラント埋入計画を立てました。こちらの患者様の骨の状態はしっかりとしていて、十分な骨量がありましたので、抜歯即時埋入を選択しました。
治療の流れをお写真でご紹介します。
骨が見えるまで、歯を分割していきます。
先にインプラントを埋入する穴を形成します。
形成した穴に向かってインプラントを埋入します。
間の隙間に骨補填材料(Bio-oss)を入れます。
隙間から顆粒が流れ出ないように、レジンでシール(蓋)をして、治りを待ちます。
インプラントが綺麗に入りました。こちらのレントゲンのみでは3次元的な情報がわからないですので、必ず3DCTでも入れた位置に問題がないのかをしっかりと確認します。
3DCTでもインプラントが綺麗に入っていることが、分かります。
このあと、消毒と抜糸を行いました。
痛みもほとんど生じず、治療後の経過を良好でした。
処置時間としては45分程度でした。インプラント手術、お疲れ様でした。
志木駅前歯科グループでは状態のインプラント治療に対応しておりますので、他院で難しい、お断りされた方は一度、当院にご相談ください。
よろしくお願い致します。
歯科医師 川口 寛史