矯正治療終了後 親知らず抜歯症例
2024年10月10日
こんにちは、志木駅ナカ、駅チカの歯医者、志木駅前歯科グループの歯科医師、木下です。
今回は矯正治療を当院にて行い、矯正終了後に、先日行った親知らず抜歯について、ご報告です。
※写真掲載に伴い、患者様より使用許可を得ております。
親知らずは、読んで字の如く、親御さんの元から離れる18歳くらいの年齢で、親が知らないうちに生えてくるため、親知らずと呼ばれ、歯科の専門用語では智歯と呼ばれてます。
親知らずを抜歯すべきか残すべきなのか、ということに関しては、過去のブログ『親知らずは本当に抜いた方がいいのか?』を参照ください。
今回は下顎前歯の大きさが小さく、第二大臼歯が綺麗に生えきれていなかったため、親知らずの抜歯にによりスペースを作るために、抜歯が必要だったケースになります。
親知らずは現代人の顎のサイズには不釣り合いで、綺麗に生えきれないことがしばしばです。
また親知らずを抜歯する際には、原則、保険適用されるのですが、16歳未満の患者様においては保険適用されませんので、抜歯のタイミングにはご注意ください。
この患者さまはもともと、歯列不正を気にされて、先に矯正を行いました。
その治療経過について、簡単にご説明します。
アングル2級、骨格性上顎前突、八重歯、叢生(歯列のでこぼこ)です。
セファロレントゲンを撮影し、分析を行います。
顔面と歯の位置関係を側方セファロ写真にて分析
こちらが正面セファロ写真です。
顔貌の左右差、上下顎の顎骨の幅の問題がないを把握していきます。
たとえば顎のずれ、左右差があれば、矯正外科手術を行うか、歯列矯正のみで対応する(カモフラージュ治療)かの判断が必要です。
こちらが分析結果です。こちらをしっかり評価をして、治療計画を立てていきます。
下の写真は、同じ年齢の男性の正常とされる骨格、歯の傾き(青)と患者様の状態(赤)の差を骨格的な問題は歯列矯正のみでの改善は難しいため、骨格的な問題を歯列単独でカバーできるのか、しっかり判断していきます。
こちらが初診時口腔内写真です。
上顎両側第一小臼歯を抜歯して、下顎は非抜歯(歯を抜かない矯正)で治療を開始しました。
治療経過です。
まずは上顎に装置をつけて、少し経ってから下顎に装置をつけます。
下顎にも装置をつけます。
下のでこぼこはそこまで強くないので、短期間で綺麗に並びました。
固定源の強化のため、アンカースクリューを埋入します。
上顎に金属のネジが埋め込まれているのがお分かりかと思います。
上顎が下顎に対して、前に出ている(出っ歯の状態)なので、上顎の一気に下げていきます。
スペースがどんどんなくなっていっているのが分かります。
スペースが完全に閉じ、前歯も当たるようになりました。
最後に細かな調整を行います。患者様も綺麗になって、噛み合わせも良くなったと仰って頂きました。
装置を除去します。
そして、歯列を固定する目的で、歯の裏側に細い針金(犬歯間保定装置)を設置し、歯列を保定(キープ)していきます。
矯正治療の詳細
治療総額 660,000(現在の料金プランではございません。)
治療期間 1年9ヶ月
治療に伴うリスク 歯根吸収、歯肉退縮、歯髄壊死、変色、虫歯、歯周病など
治療回数 24回
ここで左下の奥歯が綺麗に生えきっていません。これはその奥の親知らずが原因です。
こう言った親知らずは当院でもさすがに抜歯をおすすめして不要な骨、歯肉を除去して、綺麗に歯の頭を出してあげることが重要なため、抜歯をおすすめします。
また、歯列にも影響を及ぼし兼ねないので、歯列矯正の前後で、不要と判断される場合には、親知らずは抜歯しておくことが必要です。
親知らずの状態を見てみます。
まだ18歳と若いため、歯根(歯の根っこ)が未完成の状態ですが、位置がかなり深く、歯肉の切開と、骨削合(骨を削る)が必要かと思います。
処置時間は30分程でしたが、かなり位置が深く、歯を細かく分割しての抜歯が必要でした。
親知らず抜歯、大変お疲れ様でした。
また消毒、糸取りでご来院ください。
当院では、すべてのドクターが矯正治療の教育を受けており、常時ワイヤー矯正、マウスピースの矯正相談、矯正治療に対応ができるような環境を整えています。矯正の曜日が限定されておりませんので、いつでも矯正相談にお越しください。また、矯正治療だけでなく、保険診療もしっかりと対応しております。
歯、お口のトラブルでお悩みの方はぜひ、志木駅ナカ、駅チカの歯医者、志木駅前歯科グループへお越しください!
歯科医師 木下 望